肩痛に対する整体について
- 2023.07.04
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●肩関節の特徴について
肩関節は非常に浅い構造をしているため可動性が大きい反面、安定性が障害されやすいといったデメリットがあります。そのためラグビー、柔道などの激しいコンタクトスポーツでは脱臼を生じやすく、野球などの投球動作では肩に過剰な負担が加わり続けるため不安定肩を生じやすくなります。また明確な受傷機転がなくとも長い年月をかけて微力なストレスが蓄積し、加齢現象に伴う組織の強度が低下してくると『肩関節周囲炎(五十肩)』や『腱板断裂』を生じることもあります。痛みが強い場合や施術の効果が得られない難治性の症状に対しては、腱板断裂や強い炎症が存在する可能性があるため医師の診察を受け病態を明らかにした上で治療を受ける必要があります。
●肩の施術について
肩痛に影響する組織の状態により予後は大きく異なってきます。炎症が治癒すれば殆んど後遺症もなく改善するものもあれば、一進一退を繰り返し慢性化するものもあります。そのため問診や機能評価により仮説を立て、施術後の反応や経過を注意深く観察する必要があります。特に肩関節や肩甲骨に不安定性や位置異常が生じている場合には詳細な機能評価とアプローチが求められます。
当整体院では以下のアプローチを行っていきます。
①肩関節、肩甲骨、脊椎の柔軟性の改善(方法:リラクゼーションテクニック、関節モビライゼーション)
②肩関節や肩甲骨関節の支持性向上(方法:トレーニング)
③姿勢改善(体操指導)
※今回は私が施術させて頂いている方を例として挙げさせて頂いております。
症状は慢性的な右肩の痛み。痛みを伴う動作は、手を伸ばすリーチ動作、挙上動作、車のハンドルを握る瞬間など。安静にしていても痛みがあります。
機能評価では、屈曲・外転・回旋動作などで痛みによる可動域制限の他、肩関節の不安定性、肩甲骨や体幹の不良姿勢、ドロップアームテストと呼ばれる肩の腱の弱化をみるテストで軽度陽性が認められました。姿勢の写真では、右肩下がりに伴い、体幹も右に傾斜している様子がわかります。
アプローチは、肩~背部の筋のこわばりや緊張を緩和し、肩甲骨周囲筋や右のインナーマッスルを中心とした筋力トレーニング、少し範囲を広げて体幹も含めたエクササイズも多少取り入れて行っております。施術直後は写真の通り右側の肩下がりがほぼ左右差がない程度まで改善し、肩の動作に伴う痛みも軽減します。全身的な姿勢の改善も認められます。今後、筋力向上をはかることができれば、長期的な効果の持続につながるものと期待しております。
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