浮腫みでお悩みの方に・・・(浮腫療法)

浮腫みは何らかの理由により、組織液が過剰に溜まっている状態をいいます。つまり細胞の代謝の際に排出されたゴミ(様々な物質)が静脈やリンパ管に回収されず残っている状態です。老廃物が排液されると、浮腫みの改善の他に、免疫力に対する影響、瘦身、自律神経の安定、肌質改善などに効果があると言われております。そのため効果的にリンパを排液し、体の内部環境をととのえることは、より健康に近づくための重要な要素だと思われます。
浮腫みの原因は様々ですが、私が施術の対象としているものについてご説明いたします。

①筋肉や関節の働きが不良となって生じる廃用性浮腫
このタイプの浮腫は最も一般的なものであり、直接リンパ管や静脈に働きかけるリンパドレナージや筋・筋膜や関節の柔軟性やふくらはぎの筋肉のポンプ作用などの機能を回復することが重要です。

②がんの手術・放射線治療後に生じるもの(二次性浮腫)
施術の前に、まずは病態を確認し、リンパ節郭清術や放射線治療によりリンパ節やリンパ管にどれくらいの機能が残存しているかを把握することが必要となります。その上でリンパドレナージ、バンテージやストッキング、スキンケア、運動療法などの複合的な療法が行われます。私は専門の医師の下で数年間リンパ浮腫のリハビリテーションを経験し、患者さんのご苦労も目の当たりにしてきました。当院の施術に際しましては、リンパ浮腫療法のセラピストを育成する日本DLM技術者会によるサポートもございますので様々な浮腫のお悩みに関してご相談いただけたらと考えております。

③炎症による腫れ
捻挫や骨折・手術直後などの炎症や外傷により血管外にタンパク質が過剰に出てしまうと蛋白質の多い浮腫(蛋白性浮腫あるいは炎症性浮腫)となります。タンパク質は水を引き付ける作用があるため血管の外に水分が貯留したままとなってしまいます。このタイプの浮腫は迅速に排液することにより組織の回復を促し、傷の瘢痕化や関節の拘縮を最小限に抑えることにつながります。そのため時期に応じて適切なリンパドレナージがなされることが有効となります。

※当院の施術は、フランスの理学療法士で徒手的リンパドレナージの第一人者であるジャック・ド・ミカ式のテクニック『DVTM』を用いており一般に皆様がイメージする身体の表面のリンパを流すものとは異なり、深部に働きかけることを目的とした『揺らし』テクニックを中心に構成されております。これに理学療法士として培った筋・筋膜や関節などに働きかける手技を交えることでより深部のリンパ管に働きかけることができます。深部のリンパ管の流れを良くすることは、浅部のリンパ管のみに働きかける従来のリンパドレナージよりもより大きな効果をもたらすものと考えております。

DVTMとは・・・
1980年代にフランスのPT達がジャックドミカ(PT)を中心に様々な浮腫療法を比較検討・実施し、生理解剖学に基づき、浮腫解消・組織活性効果のより高いテクニックを構成した手技。日本では1998年より「日本DLM技術者会」がDVTMを展開・教育リンパ浮腫治療活動を行っています。

DVTM:Dynamisation Vasculo Tisslaire Manuelle(仏語)
脈管(血管/リンパ)と組織を活性する手技