首の運動時痛に対するセルフストレッチのポイントについて
- 2024.09.30
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首の運動時痛に対するセルフストレッチのポイントについて
慢性的な痛みや痺れといった症状を改善するには、施術だけでなくセルフエクササイズが重要となります。それは「根拠が明確で、しかも簡単なもの」でなければなりません。実施頻度の高いセルフストレッチについては、動きを改善するものや姿勢を改善するもの、血流を改善するものなどが目的として挙げられます。姿勢や血流改善については多くの著書に記述されていますので割愛させて頂き、今回は首の動きに伴う症状を改善するセルフストレッチのポイントについてあくまでも私見ですが簡単にお示しします。
首の動きに伴う痛みや痺れなどの軽減を目的とする場合
この場合、筋・筋膜、関節包、神経などの伸張により生じる症状(図1)なのか、それとも椎間関節や椎間孔などの圧迫により生じる症状なのか(図2・3)を事前に鑑別する必要があります。前者の場合、組織の短縮や癒着が原因であればマッサージ、ストレッチ(図4)、筋膜リリース、神経モビライゼーションなどにより症状が軽減します。しかし、不良姿勢などで当該組織が常に伸張位におかれている場合はストレッチにより、かえって症状が悪化する可能性があり注意が必要です。一方、後者の場合は除圧を目的とするため、過剰な圧迫の原因となっている組織を特定しなければなりません。例えば頸椎の右側椎間孔の狭窄により症状を呈している場合、右側の僧帽筋や肩甲挙筋、斜角筋などの短縮、椎間関節包の拘縮などが影響していることが多く、また下位頸椎が右側に偏位していることもめずらしくありません(図5)。それらの組織をストレッチ(図4)し、即時的に症状が緩和するのであればセルフストレッチの効果が期待できます。
まとめ
ストレッチは一般的になじみがあるためお客様にとって受け入れやすいものです。しかし、効果を維持するには一定期間継続していただく必要がありますので指導者はお客様の意欲を引き出す技術が求められます。様々な意見がありますが、今回お示ししました内容だけでなく姿勢や血流改善、リンパ排導の改善など多くの場面で有効かつ必要不可欠な手法だと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました!
図1:左側屈にりより右側に痛み+
図2:右側屈(or伸展右側屈+右回旋)にりより同側に痛み+
図3:右側屈による右椎間関節圧迫や椎間孔の狭窄
図4:右肩甲挙筋のストレッチ(頸椎屈曲・左側屈・左回旋位でストレッチ)
図5:赤矢印=筋肉の短縮によるベクトル/黄色矢印=頸椎椎体の偏位
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