肩の運動時「コリ、コリ」「ゴリゴリ」という関節音を伴う痛みに対する施術について

以前のブログでもお話ししましたが、肩の関節は構造的に高い柔軟性を有す変わりに不安定になりやすい関節でもあります。

肩に慢性的な症状を抱えている方は、痛みや関節の緩みに対する防御的な反応により筋肉が常に緊張した状態となりやすく、硬くこわばってきます。そのままにしておくと可動域制限を生じる可能性があります。

このような時、筋肉に対するもみほぐしやストレッチは気持ちが良く、一時的に症状が緩和したように感じます。しかし筋肉は柔らかくなっても、関節の不安定性は改善しないため十分な効果が得られないかもしれません。場合によっては関節の不安定性を助長させてしまうことになるかもしれません。

問題となるのは肩関節自体が硬く拘縮しているのか、それとも筋肉は硬くとも関節を包む袋や靭帯は緩んでいる不安定な状態なのかを見分けることです。

不安定な関節のアプローチを考える上で大切なことは、関節を安定させるインナーマッスル(腱板)をトレーニングすることです。この筋については強い抵抗運動では有効に収縮させることができないため弱い抵抗運動で正確に運動を行っていく必要があります。これに加えてもみほぐしを適切な部位、適切な圧で実施することや、短縮した組織に筋膜リリース、ストレッチなどを組み合わせることで筋肉のコンデションは改善し、多くの肩関節の不安定性を伴う症状は改善に向かいます。

とういうことで肩症状が慢性化している方は、肩関節や周囲の筋肉の状態を評価した上で、不安定性を抱える方の場合、施術プラスアルファで正しい運動を取り入れることをお勧めします。